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一次創作絵・文サイト。まったりグダグダやっとります。腐要素、その他諸々ご注意を。
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自然は好きだ。
それはきっと、抑圧された日々を生きる反動だと思う。
ビーチパラソルの下で、さんさんと照り付ける太陽によって宝石のように輝く海を眺めていた。
本当はすぐにでも砂浜を駆けてその青へ飛び込みたいくらいだが、そうなってはバカンスで浮かれている周りを、更に騒がせることになる。
今日はお忍びだ。ぐっと我慢することにする。
一緒に来ていた誠太郎が、俺のパラソルにとことこ駆け寄ってくる。
「せんせーこれ見つけた!」
言いながら、瑠璃色の巻き貝を見せてきた。
「キレイ?」
「うん…綺麗…だけど、これヤドカリだよ」
「ヤドカリきらい…」
住み処に帰してやれよと促すと、また海へと走り出して行った。
(元気なことだ…)
十代というか、学生というか…いやむしろ誠太郎自身が実年齢より子供っぽいだけに、尚更そう感じるのかもしれない。
帰ってきた誠太郎は柔らかな砂をいじりながら、俺を見上げてくる。
「せんせー泳がないの?」
「ああ。俺が出て行ったら騒ぎになるからな」
「せんせー居ないとつまんないよ…」
誠太郎はこうして時々、憂いの表情を見せることがあった。
それも決まって、孤独を感じた時だ。
いつも仕事で忙しい家族の為か、独りが嫌いで、とても恐れている。
その点、俺は孤児だ。運良く善良な里親に引き取られたものの、思春期は自身の存在価値などを人並みに苦悩した。
誠太郎の気持ちにはなれないが、近くに歩み寄って接することはできる。
「今日は一緒に泳げないけど…それじゃあ、お城作ろうか?」
「作る!」
笑顔が戻ったことに安堵しつつ、誠太郎はまたバケツに水を汲んできた。
「とびきり大きいのがいい!」
はいはい、と呟きながら砂を固め始める。
「なあ誠太郎。今度は室内プールに行こうか。一日貸し切りでさ」
「ううん…」
誠太郎は首を横に振った。
「せんせーと一緒がいい。一緒なら何にもいらない」
可愛い、と思った。
本当の弟のようで、でも恋人である誠太郎。その華奢な身体を抱きしめる。
思わずにやけそうになるのを必死で抑えながら、俺はできるだけ優しく微笑んだ。
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