一次創作絵・文サイト。まったりグダグダやっとります。腐要素、その他諸々ご注意を。
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「オラぁっ!そこサボってんじゃねーぞ!もう休憩は終わりだからな!」
木村の荒い声が飛び、部員は慌てて練習に戻る。
最も、慣れた二、三年生はそれほど真面目に聞いてはいないのだが。
夏休みも中頃に入り、俺と木村は野球部の強化合宿に参加していた。
「相変わらずの熱血指導ぶりだな。お前が居ると更に温度が上がりそうだ」
「あんたが居ると冷えそうだから、それでイーブン。それにしても…何であんたまで居るんだ?」
「まあ、良いだろう」
「ちぇっ…合宿の一週間はあんたの顔見ずに済むと思って、楽しみにしてたのによ…」
嫌そうに目を細め、ガックリと肩を落とす。
だがこれも決して強がりではなく、本心だとよく知っている。
こういう反応が見たくてついて来たと言えば、また怒鳴られそうだが。
「まあしかし、こういう合宿も青春だよなぁ。俺ん時はひたすら練習メニューがきつくて、暴れる寸前だったけど」
「お前の短気はその頃からあったのか」
「いや、まあ…その頑張りもあって甲子園も出れたしな。今は良い思い出だぜ」
どこか誇らしげに学生時代を振り返る。
もっとも、それが木村の人生のピークだったのだろうが。
「木村先生ー!暇してんなら一緒に行きましょうよー!」
部員の一人が、木村に手を振る。
これから合宿所のすぐ隣にある神社へと向かうようだ。
「合宿が終わったら、デートにでも行くか」
「なっ…誰がだ!一人で行け!」
「高級旅館で日帰り温泉旅行」
「よし、行ってくる!」
忘れんなよと念を押し、何とも扱いの楽な教師は部員に混じって走り出した。
その後を追って外へ出れば、この暑さの中、自分よりも10歳ほど若い生徒たちに負けじと、凄まじい勢いで階段を駆け上がっていた。
猪突猛進。彼には正にそんな言葉が似合う。
そんなに急いでいたら…ああ、やはりこけた。
「っくく…」
つくづく面白い男だ。
珍しく満足感を得ながら、練習を見守った。
木村の荒い声が飛び、部員は慌てて練習に戻る。
最も、慣れた二、三年生はそれほど真面目に聞いてはいないのだが。
夏休みも中頃に入り、俺と木村は野球部の強化合宿に参加していた。
「相変わらずの熱血指導ぶりだな。お前が居ると更に温度が上がりそうだ」
「あんたが居ると冷えそうだから、それでイーブン。それにしても…何であんたまで居るんだ?」
「まあ、良いだろう」
「ちぇっ…合宿の一週間はあんたの顔見ずに済むと思って、楽しみにしてたのによ…」
嫌そうに目を細め、ガックリと肩を落とす。
だがこれも決して強がりではなく、本心だとよく知っている。
こういう反応が見たくてついて来たと言えば、また怒鳴られそうだが。
「まあしかし、こういう合宿も青春だよなぁ。俺ん時はひたすら練習メニューがきつくて、暴れる寸前だったけど」
「お前の短気はその頃からあったのか」
「いや、まあ…その頑張りもあって甲子園も出れたしな。今は良い思い出だぜ」
どこか誇らしげに学生時代を振り返る。
もっとも、それが木村の人生のピークだったのだろうが。
「木村先生ー!暇してんなら一緒に行きましょうよー!」
部員の一人が、木村に手を振る。
これから合宿所のすぐ隣にある神社へと向かうようだ。
「合宿が終わったら、デートにでも行くか」
「なっ…誰がだ!一人で行け!」
「高級旅館で日帰り温泉旅行」
「よし、行ってくる!」
忘れんなよと念を押し、何とも扱いの楽な教師は部員に混じって走り出した。
その後を追って外へ出れば、この暑さの中、自分よりも10歳ほど若い生徒たちに負けじと、凄まじい勢いで階段を駆け上がっていた。
猪突猛進。彼には正にそんな言葉が似合う。
そんなに急いでいたら…ああ、やはりこけた。
「っくく…」
つくづく面白い男だ。
珍しく満足感を得ながら、練習を見守った。
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