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一次創作絵・文サイト。まったりグダグダやっとります。腐要素、その他諸々ご注意を。
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せっかくの夏休みだというのに、学園の教室で、俺は一馬と二人きり、補習授業。
芸能人夫婦の遅くできた一人息子として甘やかされてきた一馬は、生徒には人気があっても、この学園の厳格な教師陣には反感を買うばかりだ。
そこで、臨時で音楽教師をしている俺が一馬の相手を任された。
本業には差し支えない程度だから良いものの…まさかここまで面倒な奴だとは思わなかった。
いくら注意しても授業内容を聞いてないわ、携帯は弄るわ、まず根本的なやる気が無いわで、全く進んでいない。
「あ~もう飽きた。なあ、休憩とろうぜ」
「5分前にとったばかりだろ。ほら頑張れ、アイスあるぞ」
「いらねーよ。一本百円の棒アイスなんて貧乏人が食うもんだろ」
決して短気ではない俺も、さすがにキレた。
胸倉を掴み、引き寄せる。
「王子様気取りもいい加減にしろよ」
「ふ、フンッ。そのくらいの脅しで俺が…」
「そんなこと言って、留年にでもなったらどうする?ただでさえお前の成績と出席日数じゃ危ないのに…わかってるのか、一馬くん?」
わざとらしく名前を呼ぶ。普段よりも低い俺の声に、一馬はバツが悪そうに唸った。
さすがに、留年は避けたいらしい。俳優になって、将来父親と共演することが夢である一馬にとって、そんな失敗をすれば黒歴史になるだろうからか。
一馬は大人しく席に座り直す。
「ったく…こんな奴と補習なんて、如月先輩に勉強教えてもらっときゃ良かったぜ」
「一馬」
「わ、わかった。やりゃいいんだろ!」
焦りつつも、一馬は真っ白だったノートを急いで取り始めた。
クスリと微笑むと、悪態をついてくる。
それも照れ隠しだと知っている俺にとっては、可愛い仕草でもある。
「…なぁ飛燕、ここ、どうやんの?」
教師に…というか、目上に対する態度がなっていないところを除けば、素直な奴だと思うんだけどな。
「どこ?」
「えーっと…うん、まあ…全部?」
「お前…後で覚えとけよ…」
やっぱり、この我が儘お坊ちゃまにはそれなりの教育が必要のようだ…。
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